現在勤務している会社で、(主に労務的な観点から)MITERASを導入した。

MITERTASとはパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が提供する”PCログ収集サービス”で
1. PCの起動および終了時間のログを収集するプラン
2. 1.と併せてPC起動中に何のアプリ使っていたか、どのブラウザを見ていたか、のログを収集するプラン
の2種類のプランがある。

今回の導入を経て
「ここは少し難しいな」と感じた部分や、「こういう効果はありそうだ」と思った点をまとめようと思う。

▼サービスの概要

営業でもないのにサービスの説明をするのは少しばかり憚られるが
もう少し詳しく説明しておこうと思う。

MITERASの全体像はこんなイメージだ。

まず、PERSOL社がクライアント専用のサーバーをおよびクライアントがPC配布用エージェントを用意する。(エージェントというのはPCにインストールするアプリのことだ。)

情シス担当がそのエージェントをIntuneやJamf Proを用いて各PCに配布し、
併せて、MITERASの管理画面側でユーザ登録をすると自動的にログ収集が始まる。

管理者(情シスやHR担当)は管理画面でいつでもログを確認できる、と言った感じだ。

▼苦難したポイント

上記のフローだと一見簡単な作業に見えるが、
実際に進めてみると当初の想定通りにいかないポイントが幾つか存在したが、
特に苦難したポイントは下記だった。

  1. サイレントインストールについて
    (当然だが)そもそもPERSOL社側では各MDMごとの配布方法は用意しておらず、
    この辺は全て自分たちで調べる必要がある。

    今回僕はJamf ProでMacに、IntuneでWindowsに配布したのだが、
    例えばMacの場合は、起動用スクリプトと一緒に配布しないとうまくログが取れないことがわかり、
    何度か検証機で配布⇨削除⇨ポリシー修正⇨再配布という流れを繰り返した。


  2. マスタ登録について
    csvを使った一括アップロード形式のため、とにかく勝手が悪い。

    管理画面上でマスタ登録、修正ができないため
    1データを修正するのにcsvをアップロードし直す必要がある、且つ
    csvも版管理をしないと本番環境のマスタが先祖返りしてしまうため注意が必要。


  3. 日跨ぎ時間の設定について
    まず、大前提として日跨ぎ時間の設定はPERSOL社に依頼する必要があり、
    ユーザー側の管理画面上では設定することができない。

    また、日跨ぎ時間の変更をした場合はエージェントの再インストールが必要になる。

    僕はこの仕様を知らず、全社員へインストールを配布後に
    労務チームから「日跨ぎ時間がAM0時だかAM4時に変更したい」という相談を受け、
    対応したところ上記の事実が発覚した。

以上が導入時に苦難したポイントだ。
全体を通して考えると、正直そこまで技術的な面で導入が難しいサービスではないものの、
むしろこういったログ取得サービスは「なんでやるのか?」という部分を明確にしておかないと
導入時に社員から猛反対されてしまったり、すぐに運用が形骸化してしまうことは大いに考えられる。

▼期待できそうなこと

では、MITERASにより期待できそうなことはなにか。

そもそも、今回MITERASを導入した背景は、
退勤打刻後の勤務が発生しているのかを可視化したい。
発生しているならば適切に管理していきたい。
という目的があったからなのだが、個人的にはMITERASであれば叶えられると思う。

MITERASの場合、打刻システムと連携(インテグレーション)されているわけではなく、
勤怠打刻↔PCログの突合自体は完全に手動作業になってしまうのだが、
PCログ自体は(無操作時間も含め)正確に取得できるため、打刻後の残業実態の把握はできそうだ。

且つ、上位プランではPC操作時間だけに限らず
「どのアプリを何分使ってるか」や「Webブラウザで何を閲覧してるのか」まで確認できるため
どれだけちゃんと業務をしているか、をかなり細かく把握できるようになる。
(個人的にはここまでのマイクロマネジメントには反対派だが、、、、)

さいごに

結論から言うと
細かなUI/UXの悪さは感じるものの、
残業実態の把握という意味では有効そうなサービスという印象
・且つ、コストもそこまで高くないため導入ハードルは低め
というのがMITERASのぶっちゃけの所感である。

まだ当社も導入したばかりのため、もう少し運用面含めて検証していきたいと思う。