Claudeをエージェント型AIとして使いこなす【Projects・ツール連携・Claude Code】情シス・総務担当者向け実践ガイド
この記事でわかること
  • 「チャットで質問するだけ」から脱却するエージェント型の使い方
  • Projectsで社内専用Claudeを作る方法
  • Gmail・Googleカレンダー連携でできること・できないこと
  • メモリ機能・Claude in Chromeなど、知らないと損する機能
  • 情シス・総務担当者が今すぐ使える実践例

「Claudeって何ができるの?」と聞かれることが多い。多くの人がClaude=「質問に答えてくれるチャットボット」と認識している。それは間違いじゃないが、それだけだとClaudeの半分も使えていない。

この記事では、情シス・総務担当者が業務で本当に使える「エージェント型」の活用方法——Projects・ツール連携・Claude Codeを中心に解説する。

▼「チャット型」と「エージェント型」の違い

まず整理しておきたいのが、使い方のレベル感だ。

使い方 特徴 具体例
チャット型 毎回ゼロから会話。前提を都度説明する必要がある 「この文章を要約して」「メールの返信案を作って」
エージェント型 社内情報・ルール・外部ツールを事前に持たせ、自律的に動かす 「今週のミーティングを整理して」「このマニュアルに基づいて回答して」

この記事では①〜⑤の5つの機能に絞って解説する。

機能 一言で言うと プラン
① Projects 社内専用Claudeを作る Pro以上
② ツール連携(Gmail/カレンダー) 外部サービスをClaudeから操作する 全プラン無料
③ メモリ機能 自分のことをClaudeに覚えさせる 全プラン無料(2026年3月〜)
④ Claude in Chrome ブラウザ操作をClaudeに代行させる Proプラン以上(ベータ)
⑤ Claude Code コードなしで業務自動化 Pro以上

チャット型でも十分便利だが、エージェント型にすると「毎回同じ前提を説明する手間」と「ツールをまたいで情報を集める手間」が丸ごとなくなる。情シス・総務のような繰り返し業務が多い職種ほど、この差が大きく効いてくる。

▼① Projects:社内専用Claudeを作る

Projectsは、Claudeに「社内情報・業務ルール・トンマナ」を事前に覚えさせて、専用アシスタントを作る機能だ。有料プラン(Pro/Team以上)で使える。

設定できる要素は2つ。

① プロジェクト指示(Project Instructions)

Claudeへの基本ルールを固定する。「箇条書きで回答して」「社内向けなので敬語不要」「回答は300文字以内」など、毎回プロンプトに書いていた指示をここに入れておくと、以後は自動で適用される。

② ナレッジ(Knowledge)

社内文書・マニュアル・FAQ・規程・料金表などをファイルやテキストでアップロードしておく。Claudeはこれを参照しながら回答するため、「うちの会社のルールをもとに答えてほしい」が毎回できるようになる。PDF・テキスト・Google ドキュメントに対応。

情シス・総務での具体的な使い方

  • 社内問い合わせ対応用:社内FAQや規程類をナレッジに登録 → 「有給申請の手続きは?」に自動回答
  • 情シス作業用:MDM設定手順・SaaS運用ルールを登録 → 作業手順の確認・マニュアル作成を高速化
  • 採用・入社対応用:入社手続き一覧・ツールリストを登録 → 入社者への案内文作成を自動化
  • ベンダー対応用:製品比較条件・評価軸をナレッジに登録 → 比較資料・稟議書のドラフトを高速生成
💡 Projectsの設定は5分で終わる
左メニューの「Projects」→「新規プロジェクト」→ 指示とナレッジを設定するだけ。一度設定すれば以後は毎回の説明不要になる。まず1つ作って試してみるのが一番早い。

▼② ツール連携:GmailとGoogleカレンダーをClaudeに読ませる

2025年4月以降、ClaudeはGmail・Googleカレンダー・Googleドライブと直接連携できるようになった。設定はClaudeの設定画面(カスタマイズ→コネクタ)からGoogleアカウントを認証するだけ。Free含む全プランで追加料金なしで使える。

できること

  • Gmailの読み取り・サマリー:「先週のベンダーAとのやり取りをまとめて」→ メールを検索して要約
  • メールの下書き保存:Claudeが作った返信文をGmailの下書きとして保存(送信は手動)
  • カレンダーの読み取り・分析:「今週どんな会議が入ってる?」「先月一番時間を使った予定は?」
  • Googleドライブの検索・要約:「先週の全体会議の資料を要約して」

できないこと(2026年3月時点)

  • ▶ メールの送信(下書き保存まで)
  • ▶ カレンダーへの予定追加・変更・削除
⚠️ 社内利用前に情シスへの確認を
連携するとClaudeが自分のGmailとカレンダー全体を参照できる状態になる。機密性の高いメールが含まれる場合は、チャットごとにコネクタのオン/オフを使い分けるか、会社のセキュリティポリシーを確認した上で使うこと。

▼③ メモリ機能:自分のことをClaudeに覚えさせる

2026年3月から全プランで無料開放されたメモリ機能は、Claudeが会話をまたいで自分の情報・好み・業務文脈を記憶し続ける機能だ。これまでは「毎回同じ前提を説明しなければならない」という課題があったが、メモリ機能を使えばその手間が丸ごとなくなる。

メモリには2種類ある。

チャットメモリ(Chat Memory)

会話から自動的に重要な情報を抽出して保存する。「この人は情シス担当で、MacとJamf Proを使っている」「箇条書きより文章で回答してほしいという好みがある」——こういった情報が蓄積されていく。設定画面から内容の確認・編集・削除もできる。

プロジェクトメモリ(Project Memory)

各Projectに紐づいた独立したメモリ。仕事用のProjectには業務文脈を、個人用のProjectには別の情報を、とスコープを分けて管理できる。

情シス・総務での具体的な使い方

  • ▶ 「うちはGoogle Workspace環境で、Slack・Zoomを使っている」を一度伝えるだけで以後の質問に自動反映
  • ▶ 「回答は必ず箇条書きで」「専門用語は使わず平易に」などのトンマナ設定が永続化
  • ▶ 「このプロジェクトはISMS対応が前提」という業務文脈をProject単位で記憶させる
💡 ChatGPTからのメモリ移行も可能
ChatGPT・Gemini・Copilotで蓄積したメモリをClaudeにインポートする機能が2026年3月に提供開始。Settings → Capabilities → Memory Importから2ステップで移行できる。
⚠️ メモリ内容は定期的に確認を
不要な情報が蓄積されることもある。Settings → Memoryから一覧確認・個別削除が可能。機密性の高い情報が混入しないよう定期的なチェックを習慣にしておくといい。

▼④ Claude in Chrome:ブラウザ操作をClaudeに代行させる

Claude in ChromeはChromeの拡張機能として動くブラウザエージェントだ。Webページの読み取りだけでなく、ボタンのクリック・フォーム入力・複数タブの横断操作まで、Claudeがブラウザ上の作業を代行する。2026年2月時点でProプラン以上のベータ機能として提供中。Chromeのサイドパネルに常駐して、自然言語で指示するだけで動く。

① SaaS管理画面で実際にできること

情シス・総務の業務でよく発生する「複数のSaaS管理画面をぐるぐる見て回る」作業が自動化できる。具体的には以下のようなことが可能だ。

  • ▶ Google WorkspaceとSlackの管理画面を開いて「先月ログインがなかったユーザーを両方から一覧化して」
  • ▶ Notion・Confluence・Googleドライブを横断して「◯◯プロジェクトに関連するページを全部まとめて」
  • ▶ SaaSの請求管理画面を開いて「今月の請求額を各サービスごとに拾ってスプレッドシートに転記して」

これまでは「Aのページを開いてコピー→Bのページを開いてコピー→シートに貼る」という手作業だったものを、Claudeに指示するだけで完結できるようになる。

② ベンダー比較の操作イメージ

たとえばMDMツールの比較をしたい場合、こういう流れになる。

ステップ1:比較したいサービスのページを複数タブで開く

Jamf Pro・Microsoft Intune・Kandji など、比較候補のWebサイトや料金ページを手動で開いておく。

ステップ2:Claudeに比較指示を出す

「開いているタブのMDMサービスを比較して。項目は①対応OS ②価格 ③MDMプロファイルの配布機能 ④日本語サポートの有無。表形式でまとめて」

ステップ3:Claudeが各タブを読み込んで比較表を生成

Claudeが各ページを横断して情報を収集し、指定した項目の比較表を出力する。そのままコピーして稟議書に貼り付けられる形で出てくる。

従来は「各サービスのページを自分で読んでスプレッドシートに手入力」していた作業が、指示一発で終わる。

③ 実際のプロンプト例

「何と打てばいいかわからない」という声が多いので、業務でそのまま使えるプロンプト例を載せておく。

アカウント棚卸し用

「Google WorkspaceとSlackの管理画面を順番に開いて、それぞれのアクティブユーザー数と最終ログイン日を一覧にして。確認が終わったら教えて、実行はしないで」

料金確認・コスト整理用

「今開いているタブのSaaSサービスについて、それぞれの月額料金・年額料金・ユーザー単価を拾って比較表を作って。料金ページが見当たらない場合はその旨も記載して」

規約・プライバシーポリシー確認用

「このページのプライバシーポリシーを読んで、①データの学習利用 ②データの保存期間 ③第三者提供の有無 の3点を要約して」

繰り返し作業のワークフロー化

「今やった操作(◯◯の管理画面から月次レポートをダウンロードしてGoogleドライブに保存する手順)を記録して、来月も同じことができるようにしておいて」

⚠️ 「実行前確認モード」で使うのが基本
Claudeが自律的にブラウザ操作を行うため、意図しない操作が発生するリスクがある。業務で使う場合は「Ask before acting(実行前に確認する)」モードで使い、送信・削除などの不可逆な操作は必ず自分で確認する習慣をつけること。プロンプトの末尾に「確認が終わったら教えて、実行はしないで」と添えるだけでも安全性が上がる。

▼⑤ Claude Code:コードなしで業務自動化

Claude CodeはターミナルからClaudeを動かすツールで、もともとはエンジニア向けだ。ただ最近は非エンジニアでも使える業務自動化の文脈で注目されている。2026年2月のアップデートで、claude.aiで設定したコネクタ(GmailやGoogleカレンダー)をClaude Code内でもそのまま使えるようになった。

情シス・総務で使えるシーンとしては、繰り返し発生するファイル処理(スプレッドシートの整形・変換)、定型的なレポート生成、複数ツールをまたいだデータ収集といった作業が挙げられる。「コードは書けないが、Claudeに指示するだけで自動化できる」という使い方が現実的になってきている。

💡 Claude Codeはまず「触ってみる」が正解
インストールはnpmコマンド一行で完了する。「今日の自分のカレンダーを確認して」と話しかけるだけでも動く。エンジニアでなくても操作感はわかる。

▼どこから始めるか:優先順位の考え方

全部一気に使いこなそうとすると挫折する。まずはこの順番で試すのがおすすめだ。

1
メモリ機能をオンにする

Settings → Capabilities → Memoryをオンにするだけ。自分の業務環境・ツール・好みを一度伝えておくと、以後の会話に自動反映される。まず一番手軽。

2
Projectsを1つ作る

社内FAQか自分の業務マニュアルをナレッジに登録するだけでいい。設定5分、効果は即実感できる。

3
Googleカレンダー・Gmail連携を試す

コネクタ設定してGoogleアカウントを認証するだけ。「今週の会議一覧を教えて」「先週の◯◯さんからのメールをまとめて」から始める。

4
Claude in Chromeを試す

Chromeに拡張機能を追加してサイドパネルから使える。まずは「このページの内容をまとめて」から始めて、慣れたらブラウザ操作の代行へ。

5
Claude Codeを試す(余裕があれば)

繰り返し発生するファイル処理や定型作業の自動化を検討し始めたタイミングで触ってみる。

▼まとめ

Claudeを「チャットで質問するだけ」で使っているのは、車をセカンドギアで走らせているようなものだ。Projectsで社内情報を持たせ、ツール連携でGmailやカレンダーをつなぐだけで、毎日の情報収集・文書作成・問い合わせ対応にかかる時間が目に見えて変わってくる。

まずProjectsを1つ作るところから始めてほしい。それだけで「毎回前提を説明する手間」がなくなり、Claudeが一段使いやすくなる。

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