AI に記事タイトルを任せたら、9本全部【実録】になった

このブログの記事は、AI(Claude)と一緒に作っている。材料を集め、構成を考え、下書きを書くところまで AI に手伝ってもらい、最後は自分が判断して出す。

ある日、9本の下書きをまとめて見て、手が止まった。タイトルが全部「〜【実録】」で終わっていた。1本ずつ見れば悪くない。だが9本並べると、驚くほど単調だった。そこから、AI にタイトルを考えさせるやり方を作り直した。この記事は、その試行錯誤の記録だ。

この記事でわかること

  • ▶ AI のタイトルが単調になった原因
  • ▶ タイトル専門の AI(コピーライター役)を作って、何が変わったか
  • ▶ 「作る役」と「審査する役」を分けた理由
  • ▶ 最後に落ち着いた、検索と引っかかりのバランス

▼原因:3案から「毎回3つ目」を選んでいた

このブログには、タイトルの付け方のルールがある。記事ごとに3つの型で案を出す。技術・実装を前に出す型、読者の悩みから入る型、一人称で語る型だ。

AI は毎回きちんと3案を出していた。問題は、どれを採るかを AI に任せたら、毎回3つ目(一人称の型)を選んでいたことだ。一人称の型は「〜した話【実録】」になりやすい。1本ずつは筋が通っていても、まとめて出すと全部同じ形になる。

ルールを守っても、選び方が機械的なら単調になる。「1本の中で正しい」と「並べたときに良い」は別だった。

▼タイトル専門の AI を作った

そこで、タイトルだけを考える役(コピーライター役)を AI のチームに加えた。この役には、最初に2つの資料を読ませる。

  • ▶ タイトルの型と根拠:数字・サブタイトル・ラベル・疑問形などがクリックに与える影響(調査の傾向)と、このブログで効く型
  • ▶ 過去に採用したタイトルの記録:何を採って、何を採らなかったか

手順も決めた。まず「この記事が読者に約束すること」を1文にする。次に、読者が打つ検索語で今の検索上位を調べる。角度を変えて20案以上出し、採点して絞る。採点の観点は、本文が約束を果たせるか、前半に検索語があるか、具体があるか、読者が自分ごとと思うか、上位と違うか、一読でわかるかの6つだ。

▼1回目:長い・日記・内輪の言葉

コピーライター役を3つ並べて、9本を3本ずつ考えてもらった。【実録】は消えた。だが、見直すと別の問題が出ていた。

問題 例
長い 50字を超える案があった。検索結果では後半が切れて、強い言葉が見えない
書き手の日記 「〜で始めた」「5つの作法」。開くと何が手に入るかが弱い
内輪の言葉 「exe は包まない」。インストーラーを「包む(梱包する)」は、読者に通じない
型の偏り 「——」で区切るサブタイトル付きが4本。別の形で単調

3人に分けたので、9本全体を見渡す目がなかった。それぞれが自分の3本の中では工夫していても、全体では偏る。

▼2回目:検索に寄せすぎて、引っかかりが消えた

次は1人に9本をまとめて任せ、基準を厳しくした。全角32字前後、検索語を前半15字以内に、サブタイトル付きは2本まで。

長さと検索語は直った。だが今度は、正確だが、どこにでもありそうなタイトルが増えた。たとえば「MITERAS のログが取れない原因は5つ。漢字は関係なかった」が、「MITERAS でログが取れない5つの原因と切り分け方」になった。間違ってはいない。だが、1回目にあった「漢字は関係なかった」という意外さが消えた。9本中7本がツール名から書き出していて、それも単調に見えた。

▼3回目:作る役と、審査する役を分けた

最後に、別のコピーライター役を編集者(審査役)として入れた。1回目と2回目の案を突き合わせて、「検索に乗る」と「流れてきたときに指が止まる」の両方を満たすように磨き直してもらう。記事ごとに、検索に強い A 案と、引っかかりに強い B 案の2つに絞らせた。

ここで基準が1つ増えた。検索語は前半の20字以内に入っていれば十分。残りの字数は、本文にしかない一次情報の引っかかりに使う。ツール名から書き出す必要はなく、状況や意外な事実から入って、途中にツール名を入れればいい。

最終的に採ったタイトルの例

  • 読み取り専用のはずが、送信権限まで。ChatGPT の M365 連携を絞る
  • Google Drive の外部共有を全件調べたら、最多は管理者アカウントだった
  • 退職者は削除しない。TeamSpirit の稟議設定を壊さず引き継ぐ

A 案と B 案のどちらを採るかは、自分で選んだ。9本中7本は審査役の推しのまま、2本は自分の判断で入れ替えた。

▼やってみてわかったこと

「作る」と「審査する」は分けた方がいい

同じ AI に作らせて、同じ AI に見直させると、自分の案に甘くなる。別の役に審査させると、1回目と2回目のどちらにもない良さ(1回目の引っかかり+2回目の短さ)を拾えた。人のチームと同じだ。

全体を見る目を、どこかに置く

1本ずつ最適化すると、全体で偏る。並べたときの単調さは、まとめて見ないとわからない。審査役には、必ず全体の並び(書き出し・語尾・記号・型の偏り)も見させている。

採用の記録を残して、次に活かす

採ったタイトル、採らなかった代表案、その理由を記録に残し、次からコピーライター役が最初に読むようにした。検索やクリックの結果が出たら、それも書き足していく。AI に任せる仕事ほど、判断の記録が次の質を決める。

▼まとめ

  • ▶ ルールを守っても、選び方が機械的なら単調になる
  • ▶ タイトル専門の役に、型の根拠と過去の採用記録を読ませる
  • ▶ 作る役と審査する役を分ける。審査役に全体の並びも見させる
  • ▶ 検索語は前半20字以内に入れば十分。残りは一次情報の引っかかりに使う
  • ▶ 最後に選ぶのは人。選んだ理由を記録して次に活かす
📄 AI エージェントのチームで情シスの仕事を回している話はこちらの記事で書いています。
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