最近、数社の案件でプロジェクト的に動いているといわゆる情シス代行業務の方(やベンダー)と会う機会がある。
立場上あまりそういったサービスを検討する側には立たないのだが、ある種の”競合分析”的な目的で
どういったサービスが世の中にあり、いくら程度のコストなのかを調べて見ようと思う。
▼この記事でわかること
・情シス代行の法人サービス・個人フリーランスそれぞれの費用相場
・法人サービスvs個人フリーランスの違いと向いているケース
・失敗しない情シス代行の選び方3つのポイント
はじめに
「そろそろ情シスが必要だけど、正社員を雇うほどじゃない気がする」「業務委託で依頼したいけど、どこに頼めばいいのか、いくらかかるのかわからない」——そんな悩みを持つ経営者・人事担当者向けに、この記事を書いた。
筆者は現在、本職として情シスをしながら2〜3社の情シス代行を個人で受けている。受注側のリアルな視点から、法人サービスと個人フリーランスの違い、費用相場、選び方のポイントを中立的に整理する。
📄 「情シスは採用すべきか、業務委託すべきか」という判断軸についてはこちらの記事も参照してほしい。
情シス代行とは?依頼できる業務の範囲
情シス代行とは、社内のIT関連業務を外部に委託するサービスだ。主に以下のような業務が対象になる。
- ヘルプデスク対応(PCトラブル・アカウント発行・ツール操作サポート)
- SaaS導入・設定(Slack、Google Workspace、各種クラウドツールの導入)
- MDM・セキュリティ設計(Jamf Pro、Intuneによるデバイス管理)
- 情シス立ち上げ・設計(ゼロからのIT環境構築、業務フロー設計)
- ITツール選定・比較(要件に合ったツールの調査・提案)
費用相場【2026年版】
▼法人サービスの相場
現在、情シス代行を提供している主な法人サービスと料金感は以下の通りだ。
| サービス名 | 会社 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 情シスフォースLite | DeepApex | 月5.4万円〜(10h/月) |
| クラウドSE | Gizumo | 月5.4万円〜(10h)、月11.8万円〜(15h) |
| 情シスSAMURAI | クロスヘッド | 簡易サポート月5万円〜、業務代行月25万円〜 |
| シェアード社員 | ユナイトアンドグロウ | 時間単価2,300円〜/h(L1)、3,800円〜/h(L2) |
| 情シス君 | デジタルハック | L1〜L4の従量課金型、要問い合わせ |
ざっくりまとめると、法人サービスの相場は月5〜50万円程度が中心で、対応範囲や稼働時間によって大きく変動する。多くのサービスは「要問い合わせ」で、実際の費用は商談しないとわからないケースが多い。
▼個人フリーランスの相場
法人サービスと比較して、個人フリーランスへの依頼はあまり知られていないが、月15〜30万円程度(稼働時間に応じた時間単価型)が一般的な相場感だ。
筆者自身もこのレンジで複数社の情シス代行を受けており、提供している業務は以下の通りだ。
- ヘルプデスク対応・問い合わせ窓口の設計
- SaaS導入・設定(Slack、Google Workspace、HENNGE Oneなど)
- MDM導入・デバイス管理(Jamf Pro、Intune)
- 情シス立ち上げ・業務フロー設計
- ITツール選定・比較・提案
法人サービスvs個人フリーランス、何が違うのか
| 法人サービス | 個人フリーランス | |
|---|---|---|
| 月額費用 | 10〜50万円程度 | 15〜30万円程度 |
| 対応範囲 | 広い(チーム対応) | スキル次第 |
| 属人性リスク | 低い | やや高め |
| 柔軟性・スピード | 低め(手続きが多い) | 高め |
| コミュニケーション | 窓口担当を通す | 直接やり取り |
| 向いている規模 | 100名〜 | 〜100名 |
| 向いているフェーズ | 安定運用期 | 立ち上げ・設計期 |
法人サービスが向いているケースは、規模が大きくなって「属人性をなくしたい」「複数名体制でカバーしてほしい」というフェーズだ。一方、個人フリーランスが向いているケースは、「まず仕組みを作りたい」「スタートアップ・中小企業でコストを抑えたい」「直接コミュニケーションできる人に頼みたい」というフェーズだ。
失敗しない選び方|3つのポイント
1. 「作業者」ではなく「設計者」かどうか
情シス代行で失敗するパターンの多くは、「言われたことだけやる」人材を選んでしまうケースだ。本当に価値のある情シス代行は、業務を分解して自動化・効率化の余地を見つけ、中長期を見据えた仕組みを設計できる人材だ。初回打ち合わせで「現状の課題と改善提案」を自発的に話せるかどうかが一つの判断軸になる。
2. コミュニケーション能力を確認する
情シス業務は専門性が高い分、「難しい内容を非IT人材にわかりやすく伝える」能力が求められる。「なぜこのツールが必要なのか」「なぜこのルールにするのか」を経営層や現場に納得感を持って説明できるかどうか、初回面談で確認しておくとよい。
3. 初期設計ができるかを確認する
ヘルプデスク対応などの運用業務だけでなく、「今の環境の課題整理」「どこから手をつけるべきか」という初期設計ができるかどうかを確認する。ここができる人材は、結果的に中長期のコストを大きく削減できる。
まとめ
情シス代行の費用相場を整理すると、以下のようになる。
- 法人サービス:月5〜50万円程度、安定運用・100名以上の規模に向いている
- 個人フリーランス:月15〜30万円程度、立ち上げ・設計フェーズ・中小規模に向いている
「とにかく安く」ではなく、「自社のフェーズと課題に合った依頼先を選ぶ」ことが最も重要だ。